2025年6月、幕張メッセで開催された「Japan Drone 2025」に参加してきました。
今年で10回目を迎えるこのイベントは、名実ともに国内最大級のドローン&空のモビリティの展示会・国際カンファレンスとして、年々存在感を増しています。
私はこれまでドローン市場に関心を持ちつつも、どこか「先進的だけど一般化には遠い技術」という印象を抱いていました。
しかし今回、最新の技術動向・出展企業の熱量・商談の現場感に触れ、業界が「次のステージ」に進みつつあることを強く感じました。

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◆ 市場のキーワードは「社会実装」と「拡張性」
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出展内容の多くは、すでに概念やプロトタイプ段階を超え、実際のビジネスや行政サービスとして動いていることが印象的でした。
たとえば:
- インフラ点検向け自動飛行ドローン
- 農業用ドローンのリモート管理ソリューション
- 災害対応や物流向けの大型機体・VTOL
- 地方自治体との連携で進む空域管理の実証実験
これらは「趣味や撮影機材」というイメージを完全に超え、産業の一部として定着しつつある姿です。
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◆ 出展企業の本気度と、投資の熱量
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商談ゾーンに足を運んでみると、想像以上の熱気に驚かされました。
特に目立ったのが以下の3点:
- 海外メーカーの進出と日本市場への注目
- 異業種連携の広がり(通信、保険、自治体など)
- ドローンソフトウェア分野の活性化(AI解析、点群処理など)
特に感じたのは、「導入ありき」ではなく、「課題解決が先にある」という視点。
ビジネスとしての成立性を見極めたうえで、地に足のついた提案をしている企業が多かったです。
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◆ 法制度・教育・人材の整備が今後のカギ
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カンファレンスでは、空のモビリティやレベル4飛行に向けた法制度整備、都市空間の活用、そしてドローンを操る人材の育成が語られていました。
特に印象的だった議論:
- 操縦技能だけでなく、運用管理スキルの教育が不可欠
- AAM時代に向けた都市と空域の見直し
- 高齢化社会でのドローン支援の可能性
技術の進化だけでなく、それを支える「人」「制度」「倫理」のバランスがとれてこそ、本当の普及が進むと感じました。
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◆ 今後の注目ポイントとまとめ
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観点 | 注目点 |
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技術 | AI×自動航行、バッテリー性能、複数機体管理技術の進化 |
利用分野 | 農業、物流、災害、監視、都市交通への本格導入 |
法制度 | 飛行レベル4/都市部の空域管理とセーフティネットの確立 |
人材育成 | オペレーターだけでなく、「ドローン戦略人材」の育成 |
グローバル | 規格共通化と国際展開の加速 |
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◆ おわりに
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展示会場の熱気、リアルな商談、そして「空をどう活用するか」を真剣に考える多くの人々の姿に触れ、
私は改めてこの市場が未来そのものだと確信しました。